サンライズアニメ『機動戦士ガンダムSEED』『SEED DESTINY』の二次創作サイトです。同人要素を多数含んでおりますので、同人を知らない方、嫌悪感を抱く方はご遠慮下さいませ。

いらっしゃいませ。
こちらはサンライズアニメ『機動戦士ガンダムSEED』及び『SEED DESTINY』の アスラン×カガリ のカップリングを溺愛する二次創作サイトです。
同人要素を多数含みますので、同人をご存じない方、カップリングに嫌悪感を抱く方は素早くこのページから脱出することをおススメします。
『むしろ望むところだ!』という方は、少しでも楽しんでいただければ幸いですv
*一部、大人向けな表現を含む文章、イラストもございますので18歳未満の方は十分ご注意下さいませ。
*閲覧は自己責任でお願いいたします。


AlbireoR2新刊のご案内
イベント当日ではございますが、新刊のご案内がようやくできました(滝汗)。
いつもギリギリではございますが、今回はP数が48と、オフ並みの読み応えになっております(笑)。

【新刊案内】
俺のカガリ~千年王国の魔法の姫~表紙
『俺のカガリ~千年王国の魔法の姫~』
A5/48P/コピー/小説/200円
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【既刊持ち込み予定】
・Passion & Hardshipの夜想曲2~19
・宇宙人侵略!
・覚悟を決めろ!



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【俺のカガリ~千年王国の魔法の姫~】


俺は今、地球という、人類にとっての母なる惑星に来ている。
オーブという小さな国の姫に会うために。
早い話が、これはプラントが彼の国に持ち掛けた縁談であり、政治上、経済上などの諸々も事情を含んだ…簡単に言えば政略結婚だ。現在年頃で伴侶も決まっていない姫がたまたまオーブにいて、プラントの最高評議会議長にもそういう息子がいた…両国は結び付きをより強めたいと考えていた…という大人の事情で、俺は生まれて初めて地球へと降り立ったのだ。
「ようこそオーブへ。お待ちしておりました。アスラン・ザラ様」
首相を初めとする出迎えの官僚や王室の人間たちに会釈をしながら、俺はタラップを降りた。お相手となる姫君は当然ながらいない。誰もが知っているが、今回の訪問は表向き、俺が議長である父の代理として友好国への表敬訪問という形をとっているのだ。滞在先になったオーブの王宮で、もてなしのために姫が国内の案内などをしてくれて、それがきっかけで二人は親しくなり…という三文小説レベルの筋書きが用意されているそうだ。この縁談の関係者たちはほとんど中年から壮年の政治家であって恋愛作家ではないのだから、まぁ仕方ないだろう。この結婚が問題なく整えば、恐ろしく平凡で逆にありえないようなその話が、俺の人生の公式エピソードとなるということだ。
重力があるということ自体は、プラントも同じように環境を整えているから違和感はない。だが、地球は全てが人工的に作られたプラントとは違い、全てが誰の手も借りず、自然発生的に、人類には未だ不可能な規模で、しかも何十億年もの年月をかけて生み出されてきたものなのだ。あらゆる物や現象は、善悪や望まれるか否かなどという人間の思惑などは超越した次元で、ただ厳然と存在している。それを思うと、この身体にかかる重み一つ、肺に入る空気さえにも畏敬の念を抱かずにはいられない。プラントで生まれ育った俺が、どういう訳か地球の空気に触れた瞬間〝帰ってきた〟と感じるのは、やはりこの星こそが人類のルーツだからなのだろう。
その不思議な感覚は、数百年の歴史しか持たないプラントとは比べものならないくらい古い歴史を持つこの国の隅々にまで感じられた。上手く言い表せないが…母の胎内に戻る事があるとしたらこんな感じだろうか……落ち着くようでもあり、逆に面映ゆいような落ち着かなさもあり…といった不思議な感じだ。
出迎えの車はそのまま王宮へと向かった。
謁見の間で国王とお相手の姫君が現れるのを待つ段階になると、さすがに緊張してきた。国の要人に会うことは立場上珍しくはなかったから、 国王との対面に緊張しているわけではない。だが、自分と結婚するかもしれない妙齢の女性となると……顔や態度に出さないようにはできても、内心まで平然としていられるほど、俺は大人ではなかった。プラントでは十六歳はすでに成人だが、物心が付いた頃に母を亡くし、軍籍にある身なので、正直〝女の子〟には免疫がない。ましてや〝お姫様〟などという人種ともなると、これはもう地球外生命体と同じだ。未知との遭遇だ。軍に歳の近い女性がいないわけではないが、親しい会話をするほどではないし、軍人を目指す女性とお姫様では何かが違う気がする(少なくとも演習で下手をやった同僚をドスの利いた声と容赦ない言葉で叱責するような感じではあるまい)。きっとドレスや宝石で美しく着飾った、ふわふわキラキラした女の子なのだろうし…歳は同じと聞いているが、果たしてちゃんと会話はできるのだろうか…。
今さらながら、一応国を背負って成功させねばならない外交戦略の一つである今回の訪問に、年頃の女の子が喜ぶような話題やら何やらを全く何も考えず、無策で来てしまったことに焦りを覚えた時、国王の到着を告げる声に、俺ははっとして立ち上がった。
そして、髭をたくわえ、明らかに他の人間とは異なる威厳と存在感を放つ堂々たる国王よりも、彼に続いて入って来た姫に目を奪われた。
颯爽とした足取りで入ってきた彼女は、純白の軍服姿だったのだ。

◆◆◆

「こちらがもうすぐ完成予定の新造艦クサナギだ」
オーブ王女に案内され、俺は近く進水予定の戦艦の造船現場に来ていた。真面目に見、詳しい説明をしてくれる姫の話に耳を傾けていたが、内心まさかこんな事になるとは思わなかったと驚いていた。
彼女は軍を指揮する事もあり、MSを操縦する事さえあるのだとか。空中戦での射撃的中率は、正規の軍人さえ舌を巻くほどの腕前だという。俺もMS乗りとして専用機を持っているし、俺にしては話題は弾んだ。自然に和やかな雰囲気にはなっていたが…まさか姫がこんな人だったとは…てっきり…なんていうかその…もっと華やかなドレスを着た女性とバラの咲き乱れる庭をゆったり散歩するとか、そういう事をするんだと思っていた……まさか男装の麗人と軍港見学をすることになるとは…。
「ザラ議長代理?」
うっかりぼんやりしていたらしい。はっとすると、姫が様子を窺うようにこちらを見ている。
「退屈させてしまっただろうか。議長代理は軍籍に身を置く方と窺ったので、ご興味がおありかと思ったのだが…」
「いえ、お気遣いありがとうございます、姫。とても分かりやすい丁寧な説明でした」
微笑むと、姫は微かに眉根を寄せた。ん…?何か気に障る事でも言ってしまったか?
「その…『姫』というのはやめてもらえないだろうか」
「…では、なんとお呼びすれば?」
俺が聞くと彼女は頰を染め、それを誤魔化すかのように怒ったような表情をしながらふい、と横を向いてしまった。揺れた彼女の金色の髪から垣間見えた、女性らしく細くて白いうなじに、俺は不覚にも見惚れた。
「……カガリでいい」
ぼそりとぶっきらぼうに告げられた言葉を反芻し、俺はしばし考えてから口を開いた。
「俺もアスランでいい。本当は議長代理なんて役職は存在しないし、俺はまだ一介の軍人で、代理を務められるほどの事もできないんだ」
国の要人である以上、当然ながら俺たちは二人きりではなかった。だが、見合いという目的のため、本来ならば側に張り付いて姫の代わりに見学場所の説明をするようなお付きの人間たちやSPなどはかなり離れた場所にいて、さりげなくこちらを見ないようにしている。恥ずかしがってなかなか距離が縮まらない若い二人(という事になっているらしい)が、少しでも仲を深めやすいように…という余計なお世話的配慮によって。俺たちの会話が聞こえないくらいには周囲に人はいないと分かっていて、俺はあえてざっくばらんに言ってみた。
姫は……いや、カガリは驚いたようにこちらを振り向いて、まじまじと俺を見た。そんなに驚かれるような事を言ったか?
「貴方を…いや、お前を誤解していたみたいだ。…もっと腹の読めないタイプかと」
それまでの堅苦しい声音よりは砕けた様子で(男のような口調はどうも元々のようだ)少し申し訳なさそうにカガリは言い、俺は苦笑した。
「そこまで筋金の入った政治家でもない。三代前はしがない機械工さ」
人類が宇宙を開拓した歴史が、そのままプラントの歴史だ。身分などない一般人であった開拓民たちが、自分たちのリーダーを王と呼ぶことはなかったし、今は重要な役職にある家柄とて、歴史の浅いプラントでは数代遡ればほとんど誰もが一般人だ。
肩を竦める俺に、カガリは初めて笑った。俺はその笑顔の眩しさに思わず息を飲んだ。俺の作った微笑みとは違う、輝くような心からの笑みだ。純粋に人として美しかった。
「ウチは千年前も王だった。宮殿は改築を繰り返して今の形になったが、土地はずっと同じ場所だ。千年分の物語がある。幽霊も出るそうだぞ。私はまだ会ったことはないが」
「まさか」
かなり和やかな雰囲気になり、建造中の新造艦へタラップを歩いてゆくカガリを追いながら俺がそう言うと、カガリは急に振り返り、琥珀色の瞳に悪戯めいた輝きを浮かべて意味深に笑った。
「古い国には不思議なことがたくさんあるものだ。この国には魔法がある。夜にはお前のベッドに妖精が現れて魔法をかけるかもしれない」
本気とも冗談ともつかぬ言葉に、俺は一瞬飲まれた。カガリの瞳の奥に、不思議な輝きが燠のように揺らめいたのが見えた気がしてどきりとする。目の前の少女はもしかしたら魔法が使えるのでは…そう錯覚してしまいそうなほど不可思議な光だった。
咄嗟に返す言葉が見つからないうちにカガリはさっさと踵を返して艦内へと入ってしまい、俺は慌ててその後を追った。
この時はまだ、俺はカガリの言葉をただの他愛ない話題の一つとしか考えていなかった。宇宙空間も航行可能な最新鋭の大型戦艦の建造現場で聞かされても、本気になどするはずもない。古い国は御伽噺や民話の類も事欠かないのだろう、くらいにしか思わなかった。
だが実際に、不思議な事は起きた。
その夜の事だった。


【つづく】
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